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給与



給与関係の勘定科目をならべてみると、給与、給与手当、給料、賃金、雑給、賞与、退職金、役員報酬、役員賞与などなど
いっぱいあります。

実際どの科目にしたらいいでしょう。会社の規模や方針にもよります。
現在、使っている科目でかまわないとおもいますが、小さな会社ですと、役員報酬、給料手当、賞与といったところでしょうか。

役員報酬という科目を使うのは、税務署に提出する書類で勘定科目内訳書の役員報酬の内訳書があるため、実務上便利だからと
思っていただいてかまいません。


仕訳ですが、全員の給料の合計で仕訳するか個人別に仕訳するかがあります。会社の規模によります。
また給与計算プログラムがら仕訳する方法もあります。

初心者の方や簿記を習いたての方がつまずくのが預り金の仕訳が多いと思います。
簿記の仕訳で複合仕訳と言うのでしょうが、借方、貸方の科目が一つでない仕訳をみる最初が、この給料の仕訳だと思います。
ちなみにこの仕訳あと混乱するのが車両の買い替えの仕訳だと思います。

まず、源泉徴収とか特別徴収とか源泉徴収所得税とかの言葉で、まず??となってしまいます。
源泉徴収は、給与・報酬の支払者が、それらを支払う際に所得税などを差し引いて国に納付する制度です。

特別徴収は、給与等の支払者が、それらを支払う際に、住民税や社会保険料などを差し引いて、市町村や年金機構などに納付する制度です。
徴収という言葉ですので、強制的に給料から差し引いて、徴収義務者(会社など)に納付させるということです。

本題です。数字は適当です。
給料を支払ったとき、

(借方) 給料手当   500,000   /  (貸方) 現金・預金        450,000
     通勤費     50,000         預り金(所得税)    20,000
                        預り金(住民税)    15,000
                        預り金(厚生年金)   37,000
                        預り金(健康保険)   25,000
                        預り金(雇用保険)     3,000

 (  )は補助科目です。別に補助科目でなく、源泉税預り金とか住民税預り金、社会保険預り金、雇用保険預り金等でもかまいませんし、
厚生年金と健康保険を合わせて社会保険でもかまいません。

徴収したこれらをものを支払うとき、

源泉所得税(正確にいうと源泉徴収所得税)は
(借方) 預り金(所得税)    /  (貸方)現金・預金

納付後に残高が0となることを確認してください。
住民税も同様です。

厚生年金・健康保険を納付したとき、
                      /(貸方) 預金  505,000  社会保険
(借方) 預り金(厚生年金)    150,000  /               厚生年金 
    法定福利費       150,000                 厚生年金会社負担分
    預り金(健康保険)     100,000                健康保険
    法定福利費        100,000                 厚生年金会社負担分
    法定福利費        5,000                 児童手当拠出金

児童手当拠出金は会社が全額負担となっています。
こちらも納付後に残高が0となること確認してください。


次に雇用保険については、
4月から翌年3月までに支給した給与の合計額にて納付する金額が計算されますので、4月から3月まで徴収された金額が
 100,000とすると、

(借方) 預り金(雇用保険)   100,000    (貸方) 250,000   雇用保険
    法定福利費      150,000              雇用保険・労災保険

雇用保険は本人負担分と会社負担分があり、労災保険料は全額会社負担となります。


※参考 未払い計上の人件費

給料の締め日が当月内で、支払が翌月の場合は、通常、未払金、未払人件費等に一旦計上して当月の費用として計上します。
(貸方) 給料       / (借方) 未払人件費
     通勤費

徴収は原則として支払時に行います。便宜上、未払いの計上時に徴収するということもあります。


※参考 源泉徴収所得税の計算

源泉徴収所得税の金額は給与の金額、扶養人数に決まっています。
給与所得の源泉徴収税額表というものが税務署から毎年送られてきます。
またインターネットでも源泉徴収税額表のキーワードでダウンロードできます。
所得税の徴収金額は概算ですので、年末調整で過不足を調整します。


参考 住民税の徴収の金額について

特別徴収の住民税ですが、年末調整(12月)のあと、翌年1月末までに、社員の方の住民登録されている市町村に給与支払報告書(源泉徴収票と同じ形式)を送り、
所得税上の前年の給与支払報告書をもとに、個人住民税が計算されてきて、6月から翌年5月に12等分されて、納付することになります。


参考 社会保険の徴収の金額

通常、4月から6月の平均給与(通勤費を含みます)を標準報酬といいますが、それにもとづいて計算します。
インターネットで社会保険料などのキーワードでダウンロードできます。
新入社員の場合は、給料の金額により届出を社会保険の年金事務所に提出してきまります。
 また、社会保険料は当月分(給与支給した月)を翌月末に自動引き落としとされていますので、月末が金融機関がお休みの場合は
その翌月の初日に引き落としされますので、金額が大きいので、未払金の計上をしたほうがよいでしょう。


参考 雇用保険料の金額

雇用保険料は、率をかけて徴収しますので、雇用保険料とか雇用保険料率とかのキーワードでダウンロードできます。
実務上、預り金の仕訳、特に精算の仕訳が面倒ですので、支払時に法定福利費の貸方で毎月処理し、支払時に全額、法定福利費として処理
しても問題はありません。
なぜなら、過不足を計算し翌年3月までの分を概算払いしますので、精算するまで、その概算払い分を仮払金として処理しなけらばならないからです。
面倒ですので、この方法をおすすめします。
会社の経理処理方針にもよりますが。


2016.09.30記載

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