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建設業会計の仕訳の方法建設業会計と言われる会計プログラムがありますが、一般法人の会計プログラムより、お値段が数倍するのが普通です。 建設業会計プログラムは工事完成と同時に建設原価に自動に振替えてくれますが、一つ1つの仕訳はほとんど同じです。 そこで、比較的安い一般法人の会計プログラムを利用して、工事の完成ごとに建設原価に振替えていく方法を記載してみたいと思います。 当月中に工事が始まり、当月中に終わるとか、月をまたがらないとかまたがってもわずかな金額であるならば、わずらしく面倒なだけですので 建物の建築や土木など月をまたがってしまう工事向きです。 まず、科目の設定です。 棚卸資産に属する科目を修正するか、新しく「未成工事支出金」勘定を作成します。または仕掛工事でも結構です。 この未成工事支出金に未成工事支出金(No・・・・)または工事現場名をつけます。 次に未成工事支出金に補助科目を作成します。 補助科目の例としては、 設計費 材料費 外注費 解体費 労務費 租税公課 消耗品費 水道光熱費 保険料 廃棄物処理費 雑費 とか業態により作成すればよいです。 補助科目にそのまた補助科目をつけられたら便利なのですが、 結果的に、未成工事支出金(No・・・または工事現場名)の科目をいくつも作成することになります。 見栄えはよくないですが。 工事が完成して引き渡したら、売り上げ計上します。完成工事高でも売上でも構いません。 その売上げ計上した日または月末に、工事原価勘定に振替えます。 (借方)〔建〕設計費 etc (貸方) 未成工事支出金No・・・or 現場名(設計費 etc) といった感じです。 つまり、売上計上したと同時に工事原価勘定に振替、その現場の未成工事支出金勘定が0になるを確認します。 建設原価勘定(工事原価報告書とか製造原価報告書)がない場合は、売上原価項目に仕入はあるでしょうからそこに工事原価勘定を ならべてもかまいません。 こうすることにより、月次決算をしたことなります。(未成工事出金である棚卸資産が実際額となります) 未成工事支出金勘定を使わないと、未成工事高(仕掛工事高)を計算しないと今現在いくら利益がでているかわからないからです。 少し手間がかかりますが、建設業のかたで、工事仕掛かり高を計算しないと利益がはっきりしない業態のところはおすすめします。 なお、消費税のことですが、未成工事支出金勘定にて課税仕入れをしますので、借方に課税仕入・非課税・不課税を設定しておきます。 未成工事支出金の貸方は不課税(対象外)に設定します。 設計費・外注費等の工事原価勘定は不課税(対象外)に設定します。 消費税の税区分の自動設定ができない場合は手入力にて税区分となります。 工事完成後の追加工事や手直しが発生した場合も、直接工事原価勘定でも間違いはないのですが、消費税処理の統一から、おっくうでも未成工事支出金でいったん処理してから 工事原価勘定に振替ることをおすすめします。 建設業会計のプログラムは、各工事にナンバーリングして完成すると自動に建設原価に振り返るのですが、使いこなすのは意外と 面倒なことも起こります。また、仕訳入力にかんしては人間が行うのですから同じだからです。 むしろこちらのほうが工事内容がよく理解されるのではとも思います。 ※参考(仕訳の流れ) ・工事契約15,000,000で、手付金 または中間金 2,000,000をもらう。 (借方) 現金・預金 / (貸方) 前受金or未成工事受入金(補助科目) 補助科目は工事No 現場名および顧客名の両方記載がのぞましいです。摘要も同様に記載します。 人間はまちがえますから摘要もきちんと打ち込みましょう。 ・外注さんより出来高に応じて1,000,000の請求書がくる。 (借方)未成工事支出金(No・・・ or 現場名) / (貸方) 買掛金or工事未払金 こちらも摘要に下請け先名、工事No現場名の記載します。買掛金も補助科目を作成します。 なるべく工事Noをふることをおすすめします。下請けさんには請求書に工事Noと現場名の両方を記載してもらいましょう。 現場が二つ以上あると混乱するからです。 ・完成しました。残金は13,000,000でした。 (借方) 売掛金or工事未収金 13,000,000 / (貸方) 売上or完成工事高 15,000,000 前受金or未成工事受入金 2,000,000 でいいのですが、あえて (借方) 売掛金or工事未収金 / (貸方) 前受金or 未成工事受入金 13,000,000 として、 別伝票にて、 (借方) 前受金or 未成工事受入金 / (貸方) 売上or完成工事高 15.000,000 〔建〕材料費 / (貸方) 未成工事支出金(No・・・ or 現場名) 〔建〕外注費etc / (貸方) 未成工事支出金(No・・・ or 現場名) 〔建〕は建設原価勘定の略です。 とすることをおすすめします。 なぜなら、この別伝票を印刷またはpdfにて保存すれば売上及び原価計算記録がのこるからです。 また、下請さんからの請求書は月末等にて遅れるからです。 売上計上と同時であれば、工事原価への振替忘れもないからです。 ※決算時に売掛金勘定の残高を間違えるのは少ないとおもいますが、買掛金勘定の間違いは起こる可能性が高いのです。 経理ができる人ほど、たとえば、支払い時に、買掛金と外注費の両方を使う方が多いのですが、ダブり計上がままみられます。 工事原価の特に外注費は支払い時にはすべて買掛金勘定を使うようにおすすめします。 原価に関しては完全な発生主義により仕訳がよいと思います。 同様に、入金も同じです。1カ所からの売上入金で、売掛金と売上の両方ある仕訳ですとまちがえます。 入金はすべて売掛金 or 工事未収金をつかいます。 個人的に上記のように完全にやっているわけではありませんが、チェックしやすい方法やなるべく間違えないような方法で まちがえてもまちがいに気づく方法や他の人がみてもチェックしやすい方法をこころがけたいものです。 消費税もからんできますので、消費税の税区分の仕方の統一性も求められます。 2016.09.29記載 2021.06.02修正 |
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